本研究では、まずフィリピン、およびインドネシアの小規模漁業者を対象に、社会協力選好を抽出する経済実験、および資源枯渇の経験とその原因、漁業経験年数・漁獲魚種などの漁業に関する状況、コミュニティー属性などに関するアンケート調査を実施した。 そのうえで、集めたデータをもとに、資源枯渇の経験が漁業者の社会協力選好に影響を与えるかどうかを検証した。その結果、過剰漁獲や違法漁獲など人為的要因によって資源枯渇を経験したと認識している漁業者はそうでない漁業者よりも協力選好の程度が高まり、逆に災害や気候変動などの自然要因で資源枯渇を経験したと認識している漁業者は協力選好の程度が低くなることが明らかとなった。
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