研究課題/領域番号 |
25590076
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
廣瀬 紳一 国際大学, 国際経営学研究科, 教授 (00414079)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アセスメント・センター / 人材評価 / 妥当性研究 / 予測的妥当性 / 国際比較 / 国際情報交換(米国) |
研究実績の概要 |
今年度は、本研究の基礎となっている日本におけるアセスメント・センターの運用妥当性に関する分析結果を国際学会において発表した。具体的には、2014年10月23日から25日にかけて、米国バージニア州アレクサンドリア市において開催された38th International Congress on Assessment Center Methodsに、日本の研究者としては唯一参加し、発表を行った。この発表では、これまで実証研究が行われてこなかった日本におけるアセスメント・センターの予測的妥当性(アセスメント・センターによって被験者の将来的成長可能性をどの程度予測できるかの尺度)について、国際学会の場で初めて結果を報告した。 報告内容の概要としては、日本におけるアセスメント・センターの予測的妥当性が国際水準と同等であることを実証的に示した。このようなアセスメント・センターの予測的妥当性に関する大規模な実証研究は、米国および欧州以外の国・地域においては前例がないものであり、関係者からは高い関心をもって受け入れられた。 また、この学会での付随的な活動として、最新版の"Guidelines and Ethical Considerations for Assessment Center Operations"(アセスメント・センター運営のためのガイドラインおよび倫理的配慮指針)の策定タスクフォースメンバーとして参画し、この新版ガイドラインは学会本会議において承認された。 以上のように、今年度は日本におけるアセスメント・センターの妥当性を国際的に認知させることに注力し、一定の成果をあげることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本におけるアセスメント・センター方式が国際的に見て標準レベルにあることの証明までは、今年度の活動によって達成できた。 このアセスメント・センター方式を応用して、日本的高度サービスを海外展開する場面における人材選抜が過去・現在においてどの程度成功しているかを実証的に検証する準備は、全体的に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、日本の大手小売グループ(アジア各国に積極的に海外展開中)と共同研究について協議中であり、2015年度には、当該企業グループをフィールドとして、本プロジェクトの目的にとって中核的な役割を果たす実証データの取得および分析に注力する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
企業との共同研究企画が始動していないため、実証研究において必要となる経費の温存を図った。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度において、実証研究に必要となるデータ収集および実験的アセスメントにかかわる専門家への謝金としての支出を予定している。 また、本プロジェクトの暫定的な分析結果を国際学会において発表するための旅費支出も想定している。
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