本研究は、近年日本各地において盛んに展開されている食を基軸にした観光振興について経営学と人類学の観点から検討したものである。 本研究によって、独自の食材や調理法によって提供されるローカルメニューは、観光振興において極めて魅力的なコンテンツとなるが、地域間競争も極めて激しいため、他との明確な違いを物語で示し、統一感を持って顧客に伝えることが重要であることと、地域の利害関係者間での連携をはかり、地域の食材にとどまらず、地域の資材や事業者を積極的に活用しあうことで、地域内のキャッシュフローを太くしていくシステムと、そのシステムをガバナンスしていくことが重要であることが明らかとなった。
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