本研究では、ファミリービジネス研究のための新しい定性的研究方法論を開発した。まずファミリービジネスの国際比較が可能な研究視座として、制度内在論理のアプローチでコンテクストと組織の関係をつかむ。その上で、SGCCの家族ストーリーを活用し、現場の課題に根ざした事例ストーリーを形成するというものである。有用な実践知を伝える事例ストーリーを蓄積していくことを目指すが、個々の事例ストーリーの形成には熟練を要する。特にファミリービジネスのように複雑度の高い研究では、長期で、チームで、状況に合わせた介入度をもったフィールド研究が有効と考える。
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