経営理念の浸透に関する研究では、今まで暗黙裡に、日本本社の日本人成員を対象とした理論構築が進められてきた。ところが今や、企業はグローバル化の波にさらされており、そのなかには、国内外の外国人スタッフにいかに理念を伝え共有していくのかという課題も含まれている。しかし、従来の理論では、これに十分に応えることができない。 この問題意識の元、本稿は、現地法人社長経験者へインタビュー調査を実施し、それを日本本社を対象とした今までの調査と比較検討することで、現地法人への理念浸透を、「内面化」と「定着化」双方の視点から、明らかにすることを目的とした。
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