本研究では、日本の地場産業・伝統産業で全国的に高い名声を得ていたり「ジャパンブランド」として世界的に高い評価を受けている企業、ならびにヨーロッパのラグジュアリーブランドを取り上げ、これらの感性価値実現のための経営学的方法論として「経験価値」と「技術経営」の理論を導入し、競争優位やブランド力の源泉である伝統と革新に結びついていることを明らかにした。さらに、衰退しつつある多くの日本の地場産業や伝統産業が復活・再生するだけでなくプレミアムブランド化する条件が、デザインなど顧客の感性に訴えるだけでなく、職人技を活かした「ものづくり」、歴史、物語、夢を打ち出す「ラグジュアリー戦略」であることを示唆した。
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