研究課題/領域番号 |
25590106
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鳥羽 至英 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90106089)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 監査上の懐疑主義 / 職業的懐疑心 / 財務諸表監査の質 / 監査の認識プロセス / 監査の失敗 / アサーション / 実証 / 反証 |
研究概要 |
監査上の懐疑主義の概念的枠組みに関する研究の成果として、2013年度において、A Conceptual Framework for Understanding the Role of Professional Skepticism in a Financial Statement Auditをモノグラフ形式で作成し、3回にわたって改訂した。 モノグラフ原稿を、イリノイ大学の教授とミズーリー大学の教授に事前に郵送し、2013年6月にシドニーで開催されたInternational Symposium on Audit Researchにおいてミズーリー大学の教授と会いコメントと討議を、2013年11-12月のアメリカへの研究出張では両教授と直接お会いしコメントと討議を、さらに2014年2月のアメリカへの研究出張では、イリノイ大学の教授とは直接お会いし、もう一方の教授とはメールを通じて、原稿についてのコメントをいただいた。 財務諸表監査において監査人は財務諸表をどの程度疑ったらよいのかという問題は、現在、欧米において研究と実務の双方において喫緊の課題となっている。実証研究が先行し、現在は、学会・規制当局・会計プロフェッションが、それぞれの立場でこの問題についての議論や考え方を明らかにしている。 Audit Skepticismについての確立された定義や概念的枠組みがないところから、本研究を加速し、その結果をAmerican Accounting Associationに、Monographの原稿として審査請求をしなければならないと考えている。当初を予定した「研究実施計画」に従って、あるいは少しそれよりも先行する形で研究作業が進んでいる。脱稿は目前のところまで来ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究成果をモノグラフ形式でまとめ、それをアメリカ会計学会に審査請求できる直前まで来ている。2013年度中には、若干の検討事項が出てきたため、投稿できなかったが、2014年度の上半期には完成できると考えている。相当に研究全体の視野も広くなり、かつ、文章も一段と理解可能となってきている。
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今後の研究の推進方策 |
ともかく、American Accounting Associationの審査結果を待ちたい。もしモノグラフとして受け入れられれば、そこで提示されている枠組みをどのように監査実務に落とし込むか、また、職業的懐疑心をどのように測定すべきかという新しい研究課題が出て来る。アメリカの大手の会計事務所を訪問し、監査実務とのコラボレーションについての意見交換や可能性を探ることが必要となる。もし条件付きの採択であれば、コメントに基づき改訂を、あるいは全面的な検討を行うことも考えられる。まずは、良い結果がでるように、原稿の完成度を上げることに専念したい。
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