研究課題/領域番号 |
25590106
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鳥羽 至英 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90106089)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | professional skepticism / audit cognition / audit judgment / presumptive doubt / audit risk approach / accounting assertion / audit proposition / inward skepticism |
研究実績の概要 |
研究課題は、当初の計画よりも順調に行われた。2013年度に行った2度にわたるイリノイ大学での研究成果を基礎に、さらに2014年度の4-5月にかけて同大学において行った最終的総括を経て、総頁125頁のモノグラフ─A Conceptual Framework for Understanding the Role of Professional Skepticism in a Financial Statement Audit としてまとめられた。同モノグラフは、アメリカ会計学会のStudies in Accounting Researchへの掲載を求めて、同学会に提出された。1か月の審査を経て、Advisory Committee of Accounting Research から専門審査に進むことを認める結果が、同学会の担当副会長から知らされた。専門家による審査結果は8月末との連絡を受け、さらに、担当副会長の「第一次審査を通過した業績は過去10年間ほとんどない」との評価があったために、9月初旬に渡米し、現地での最終作業の準備を行っていた(さらなる追加作業を含めて)。しかし、最終結果は12月24日に、不採択との結果が来た。 査閲の結果は、positive,negative, againstに分かれた。筆者は学内雑誌に掲載した論文の一部を掲載したが、すでに版権が生じており、学会による審査はできないことが理由であった。指導を受けてきたアメリカの2名の先生からは、positiveもnegativeも非常に良いコメントであるので、雑誌論文の形に頁数を大幅に削減して、研究を続けるべきとの励ましを受けた。投稿後新しい研究の展開や読むべき文献も出てきているので、これらを含めた作業を行う予定である。重要なコメントが得られる段階の原稿を作成したことで、一応の水準の研究実績を残せたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究は、当初の計画よりも早く完了し、「研究実績の概要」で記載したように、アメリカ会計学会のStudies in Accounting researchに投稿された。残念ながら学内誌に掲載された自分自身の論文の版権の問題で不採択になったが、二人の査閲者のコメントは、positiveなものであれnegativeなものであれ、非常に重要なコメントであった。このようなコメントを得るに至った研究成果であることがわかり、2年目の研究成果としては十分に満足ゆくものであったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の研究は、二人の査閲者からいただいたコメントを一つずつ精査して原稿に反映させ、全体として頁数を半分に削減させた学術雑誌用の新原稿の作成に着手する予定である。また、原稿投稿後、研究テーマに関連して新たな学術的な展開や反映すべき他の学問領域の知見が明らかになったので、それらを反映させるための研究を遂行する予定でいる。これに関連して、6月にボストンにて開催されるInternational Symposium on Audit Researchへの参加と9月に約3週間イリノイ大学に留学し、最後の詰めの研究をする予定である。
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