本研究は、長野県松本市をフィールドにして、研究代表者が、行政や地域住民による高齢者介護における地域包括ケアシステムの構築にかかる取り組みに参与し、取り組みの各種場面を支援しながら、その過程を素材に地域包括ケアシステムの効果的な構築モデルを考えることを目的としている。 これまでの研究期間を通じて、松本市の担当職員、福祉専門職、民間企業、地域住民組織、他大学の研究者、社会福祉協議会等への働きかけを行いながら、協力者とともに高齢期の生活支援と在宅介護、それらに関わるまちづくりや政策形成過程の学習を重ね、実際に地域包括ケアシステムの構築事業に取り組むメンバーを中心とするネットワークを構築するに至った。 ネットワーク構築の取り組みと並行して、研究代表者は、地域包括ケアシステムの構築の具体的な取り組み事例の調査を実施し、好事例の共通点を整理するとともに、行政や福祉専門職の方々の躓きを明らかにして、地域包括ケアシステムを4つのフェイズに区分する考え方や、地域住民の行動変容に繋がる説明方法を地域介入ツールとして開発してきた。 この間、研究代表者が行政をはじめとする関係者に働きかけることで関係者を集めた学習会を組織して意見交換を重ね(2015年度)、本研究の成果に基づく地域介入ツールをもとに松本市内でモデル地区を選定して地域包括ケアシステム推進事業をスタートさせて、研究代表者はその事業にアドバイザーとして継続して関与することになった(2016年度)。
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