21世紀に立ち上がってきた高齢期の生活変容は、ケアを誰が担うのか、どのように調達するのかという「ケアの配分」の問題を浮き彫りにすることになった。地域包括ケアシステムは、これまでの福祉レジームが供給できる支援をはるかに超えることになった高齢者の生活課題の解決に向けて、ケア関係の再構築を図ることが求められている。 そのためには、地域包括ケアシステムを「健康が維持できている地域づくり」(場づくり)、「困りごとが解決できる地域づくり」(関係づくり)、「専門知識を気がねなく使える地域づくり」(連携づくり)、「緊急事態に対応できる地域づくり」(安心づくり)として整理することが必要である。
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