研究課題/領域番号 |
25590129
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
馬場 幸子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60646818)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スクールソーシャルワーク / 実践スタンダード / 評価指標 |
研究実績の概要 |
26年度は、NASW Standards for School Social Work Services (2012)、SSWAA School Social Work Practice Model (2013)、SSWAA Evaluation Framework for School Social Work Practice (2013) の3つの資料の翻訳を行い、小冊子を作製した。また、翻訳小冊子を用いてスクールソーシャルワーク実践スタンダードの学習会を行った。11-1月に3か所で学習会を行い、合計87名の参加者を得た。この学習会で、日本のスクールソーシャルワーカーらの実践スタンダードに対するニーズや、実践評価についての考えについて、質問紙調査およびグループディスカッションの手法を用いてデータを収集した。 学習会の結果、日本のスクールソーシャルワーカーらの間で、実践スタンダードができることへの期待および継続的にスクールソーシャルワーク実践スタンダードに関する学習会に参加することへの希望があることを確認できた。 25年度末に米国で行ったグループインタビューの結果および26年度に上記の学習会で収集したデータの分析結果は、27年度に日本子ども家庭福祉学会、日本学校ソーシャルワーク学会、日本社会福祉学会の各学会の大会で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
26年度後半には日本版スタンダードおよび評価指標のたたき台を作成する予定であったが、その段階に至っていない。その理由として、研究計画段階では想定していなかった以下の2点があげられる。
①スクールソーシャルワーカーらと米国のスタンダードについてディスカッションをするにあたり、原文のままではディスカッションができず、原文資料の厳密な全訳、翻訳資料(小冊子)の作成が必要となり、それらに時間を要した。 ②「実践スタンダードとは何か」「実践評価の目的と使用方法」などについて理解を得るために、説明を丁寧に行う必要があり、拙速にたたき台作成へと進むことは望ましくないと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
27年度は、NASW Standards for School Social Work Services (2012)の11のスタンダードを1つずつ丁寧に確認し、日本の実践に当てはめて日本版スクールソーシャルワーク実践スタンダードの項目作成を進めていく。隔月開催の勉強会で毎回1項目ずつ確認していく。この学習会には主に関東圏のスクールソーシャルワーカーらに参加してもらう。学習会では、テーマに沿った講演、報告、グループディスカッションを行い、グループディスカッションの記録は、調査データとして活用する。調査データを基に、スタンダードの項目作成を行う。
スクールソーシャルワーカーらが十分に内容を理解し、納得のいく形に作り上げなければ、スタンダードは活用されないであろう。ゆえに、項目ごとに丁寧に確認するプロセスが必要である。当初は今年度で実用版スクールソーシャルワーク実践スタンダードの完成を目指していたが、実用版の完成までにはあと2,3年は必要と思われる。 今年度末には、3年間のまとめとして、日本版スクールソーシャルワーク実践スタンダード開発の中間発表を報告書の形でまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
25年度からの繰り越しが89万円強あり、今年度の支払い額と合わせると、当初予定していたよりもかなり多くの額があったため、26年度に使い切らず、一部を27年度に持ち越しとした。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度初めにあるSSWAAのカンファレンスに出席し、新たな情報を得て、本研究の精度を上げることに役立てる。また、余裕があれば、学習会に参加するスクールソーシャルワーカーらに活用してもらうべく、昨年度作成した『翻訳版小冊子』を増刷したい。
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備考 |
『NASW Standards for School Social Work Services (2012) SSWAA School Social Work Practice Model Overview (2013) SSWAA National Evaluation Framework for Schol Social Work Practice (2013) 翻訳小冊子』2014年11月
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