愛知県内の学校で、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)が配置される学校が増えてきた。児童生徒の問題解決のためには、教職員がSSWと協働することが不可欠であるが、ほとんどの教職員がSSWの仕事の内容について理解できていないのが現状と言える。そこで、平成25年度に本研究の一環としてSSWを配置した日進市で、SSWの仕事について、1時間程度の研修を受けた293名の教職員のアンケートの記述の中に、教職員とSSWの協働を進めるためのヒントになると考えられる記述が多く見られた。その記述は教職員にとってSSWの活用に関することとソーシャルワークの考え方を理解することに役立つと考えられ たので、アンケートの記述に関してSSWの活用とソーシャルワークの考え方の理解の2点について、報告書(27ページ)にまとめ、愛知県立大学の近隣の11の教育委員会に配布した。 SSWの活用については、以下のような理解が有効ではないかと考えられた。①ケース検討会のファシリテーター((司会)の役割を担う、②学校と児童の抱える問題環境の間に入って、冷静に双方をとりもつ役割を担う、③他の機関をコーディネートする。④学校と保護者、児童を客観的にみる。⑤教員が身近に相談する。 ソーシャルワークの考え方の理解については、以下のような理解が有効ではないかと考えられた。①エコマップが問題を明確にするのに有効である。②ストレングスから支援を考えていく。③困る子は困っている子、④自分ひとりで悩まずに周りの人に相談することが大切。⑤家庭の大切さ。⑥相手を先入観で見ない。⑦多面的にみる。子どもたちは問題行動を起こす何らかの環境要因がある。
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