本研究では失語症者のコミュニケーションを支援することを目的に,タブレット端末で使用できるコミュニケーションアプリの開発をすすめてきた.対象者は重度から軽度の失語症者9名.アプリ使用時の正答率や自己修正率をコミュニケーションブックの使用時と比較.さらにアプリの誤り方を分析した.その結果,アプリの使用は重度~中等度の失語症者のコミュニケーション支援ツールとして有効であり,特に伝えたい語彙が,描画やジェスチャーで表すことが困難な場合に有効であった.その一方,タブレットなどを使い慣れない,または基本的な階層性の理解が難しい失語症者には使用に困難さがみられた.今後はスクロール方式なども検討していく.
|