研究課題/領域番号 |
25590138
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
三野 宏治 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (80615229)
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研究分担者 |
立岩 真也 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
森下 直紀 和光大学, 経済経営学部, 講師 (40589644)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソ―シャルインクルージョン / 地域移行 / 地域生活支援 |
研究概要 |
25年度の計画とした、三つの事象(精神障害者における病と障害の問題、水俣病患者の病者としての主張、ハンセン病患者の社会的排除による障害)のうち、精神障害に関するものと水俣病患者についての調査をおこなった。 「水俣病患者の病者としての主張」に関する調査として水俣市社会福祉協議会、水俣病患者に対して支援を行っている団体・個人に対して聞き取りを行った。そこで患者個々の事情を熟知し長期的かつ継続的に支援を行っている人たちの存在を知る。ここで重要なことはシステム・仕組みとしての「支援」のもと集まった専門家というより、支援を行っている人たちによってシステムが利用/創造されている点であった。 他方、「精神障害者における病と障害の問題」に関する調査は計画書に記したように社会福祉法人心生会の協力を得て、当該法人に勤務する精神保健福祉士にインタビューを実施した。これまでの入院治療中心から地域生活支援へケアの方向性を政策として変化させてきたわけだが、実際の地域生活を支援する中で国等が考える方法では不具合が出ていることが分かった。 これらの調査から、地域生活支援を行う上で「様々な機関が提供するサービスを組み合わせること」の有益さと不具合について考察する視点を得た。今後も調査を継続し、得た知見をまとめたうえで、平成27年1月に開催予定である第10回水俣病事件研究交流集会で発表する。 「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査は研究協力者を得ることで平成26年度より本格的に調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「精神障害者における病と障害の問題」と「水俣病患者の病者としての主張」に関する調査は当初の計画に従い実施している。この点に関して、達成していると評価している。 他方、「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査は研究協力者を得ることができず調査が行えておらず、当初計画より遅れていると考える。平成26年度は研究協力者を得ることができたため、「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査も「精神障害者における病と障害の問題」と「水俣病患者の病者としての主張」同様に進めていけるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の調査研究の推進方策を述べる前に課題を整理する。 平成26年度は研究協力者を得ることができたため、「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査も「精神障害者における病と障害の問題」と「水俣病患者の病者としての主張」同様に進めていけるものと考える。ただ、調査・研究者が増えたということは、①昨年度以上に綿密な打ち合わせ、計画、評価を行う必要がある。研究機関の中間に相当する本年は、②最終年に向けて調査のまとめを始める時期でもある。 ①及び②の課題を克服するためには前年にもまして研究者・協力者間でのやりとりが重要となる。①に関しては調査前の計画時におけるもの、②については調査後の結果の分析等をより頻回に精緻な内容を伴い実施する。①及び②の結果を持って平成27年1月に開催予定である第10回水俣病事件研究交流集会で成果を発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
「精神障害者における病と障害の問題」と「水俣病患者の病者としての主張」に関する調査は当初の計画に従い実施しているが、「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査は研究協力者を得ることができず調査が行えていない。そのため「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査費用(研究協力者に対する調査旅費)が、次年度使用額となった。 「精神障害者における病と障害の問題」と「水俣病患者の病者としての主張」に関する調査は当該年度と同じく行うことで予算の執行は計画通りである。他方、当該年度実施できなかった「ハンセン病患者の社会的排除」に関する調査を次年度計画分と合わせて計画している。 したがって次年度計画は当該年度計画に比較して大きい額となり、差額については上記計画に従い執行するものである。
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