研究課題/領域番号 |
25590140
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
壬生 尚美 大妻女子大学, 人間関係学部, 准教授 (40312186)
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研究分担者 |
金 美辰 大妻女子大学, 人間関係学部, 助教 (30517222)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サービスの質 / 特別養護老人ホーム / 介護職員 / 介護福祉士 / 就労意欲 / 施設形態 |
研究概要 |
本研究は、特別養護老人ホームにおける今後のケアのあり方を、介護職員の就労意欲に焦点をあて施設特性からの影響について探るものである。 平成25年度は、蘇(2007)の有能感尺度を参考に作成した質問紙項目を再検討し、関東地方の特別養護老人ホームの介護職員の仕事意欲(有能感)について調査を実施し、介護職の仕事継続の魅力・やりがい感を探ることを目的とした。調査対象は、協力を得られた13施設の介護職員の内、1施設50~100%の割合で協力依頼し、ほぼ100%の回収率だった。調査票の回収は無記名で行い、回収の際には本人が密封した封筒に入れ、施設の調査担当者に提出し、施設単位で4週間後に回収した。調査時期は、2013年8月1日~2013年12月20日である。調査項目は、蘇らの有能感尺度15項目に5項目を追加した項目、満足感・やりがい感項目について5件法とした。仕事継続のやりがい感に関する自由記述、並びに勤務歴、教育背景等の属性項目とした。その結果、介護福祉士有資格者の仕事意欲(有能感)は専門職性に関する項目について、資格無者と比較し有意に高かったが、やりがい感・満足感は有意に低い結果となった。介護福祉士有取得者の能力が発揮され、仕事継続のやりがい感につながることがケアの質を担保する上で重要だと考える。介護福祉士資格取得ルートは多様であり、勤務年数や介護職歴なども併せて介護職員の仕事継続のやりがい感の自由記述から詳細な分析を試み、今後の人材育成に役立てたい。 また、個室・ユニット型施設の前進であるグループホームにも同様な方法で質問紙調査を依頼した。5ヶ所の施設介護職員(83名)に協力を得た。 更に、今後の日本における特別養護老人ホームのあり方を検討する上で、隣国韓国において先進的な取り組みをしている施設介護職員に質問紙調査(40名)並びに人材育成の現状聞き取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、平成25年度研究は、特別養護老人ホームの介護職員への質問紙調査のほか、聞き取り調査を行う計画であった。現状では、分析に時間がかかり、その結果を踏まえた内容で聞き取り調査を実施する予定のため、具体的な実施に至っていない。 しかし、平成27年度に計画した先進施設への訪問調査を平成25年度から並行して実施しており、隣国の韓国の特別養護老人ホームに調査協力を得られ、質問紙調査並びに施設の体制について聞き取り調査を実施した。そのため、概ね順調に進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度実施した調査結果を詳細に分析する。その結果を踏まえて、職場内サポートの現状について聞き取り調査を行う。また、平成26年度実施計画であるタイムスタディ調査を行い、ケアの実態に迫る。 併せて、先進的な施設があれば訪問調査を実施し、情報収集に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に当初計画の予定より調査協力施設が拡大したことにより諸経費がかかり、前倒し申請(10万円)を行ったが、予定していたその調査結果を踏まえた聞き取り調査を実施できなかったため、当初の予定額を下回った。 平成25年度予定していた聞き取り調査の実施。先進的な取り組みをしている施設に訪問調査を実施する。交通費、謝品等に充てる。
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