研究課題/領域番号 |
25590144
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
明石 留美子 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (00535396)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 災害 / 地域防災 / 災害管理 / 国際研究者交流 / アメリカ / 米国 / CERT / 防災 |
研究概要 |
本研究は、日本の地域住民の災害対応力を高め、住民を主体とした災害対応体制の開発に向けた提言を目的とするが、これまでにこの目的に向けて以下を実践した。 第一に、文献研究を行い、災害の国際的な動向、災害管理、住民が主体となる米国のコミュニティ緊急事態対応チーム(CERT)に関する先行研究、概念、動向を分析し整理した。その成果を東京都港区自治体の関係者に講義し、今後調査が必要な事項を確認した。また、これらの成果をまとめた論文「災害、災害管理、米国コミュニティ緊急事態対応チームについての研究」が、研究所年報に掲載された。 第二に、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市およびロサンジェルス市で緊急事態管理局や消防局の災害担当者、ソーシャルワーカーに、各市の災害管理とCERTについて聞き取り調査を実施した。そこでの知見を、港区の住民を対象とした区民ワークショップで講演し、同区のシニア層を対象とした生涯学習大学でも講義を行った。 第三に、2014年7月に港区で、米国のサンフランシスコ市およびニューヨーク市よりCERT指導員とCERTのリーダーおよびサブリーダーを務める住民を招聘してセミナーを開催する予定で、港区の自治体および米国の関係者と調整を進めている。同セミナーは、港区の自治体、町内会や自治会を含めた地域住民、災害関係者を対象に、米国のCERTを中心に、地域住民を主体とした災害対応体制の在り方を考えることを趣旨とする。セミナーに加え、CERT招聘者と自治体や住民などとの小規模研究会も実施の予定である。 以上のように、本研究は、米国から日本への招聘を伴う国際研究であること、港区をフィールドとして地域防災モデルを検討すること、成果を論文にまとめて発表するにとどまらず、自治体、災害関係者、地域住民の参画とネットワーキングも取り入れ実質的な活動を含んだ研究であることに意義があるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施日程に変更はあるものの、関係者の積極的な協力を得て、ほぼ研究計画通りに進ちょくしている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に記載した通り、2014年7月に米国の関係者を招聘して地域災害体制を検討するセミナーを開催する予定であるが、このセミナーでは、参加者を対象に、災害対応に関する調査も実施する計画である。今後、同セミナーの開催準備に加え、この調査で活用する質問票を作成する。2014年度後半は、この調査で収集したデータの整理・解析、CERT招聘者と港区関係者との研究会の成果の整理・解析を行い、研究論文にまとめ、学会で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は米国との国際研究であり、2013年度に米国からの研究者の招聘を予定していたが、招聘に至るまでの事前研究と準備に時間を要したため、招聘を2014年度に実施することとした。そのため、2013年度の計画を2014年度に持ち越した。 2014年度に、2013年度に計画していた米国からの研究者を招聘して日本でセミナーおよび研究会を開催するが、その招聘に必要な費用として、旅費および謝金を2014年度に支出する計画で、その費用に当該年度と翌年度の助成を合算して充当する。
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