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2014 年度 実施状況報告書

介護職員の就業動機と業務ストレス分析;新しい人材管理の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25590146
研究機関早稲田大学

研究代表者

加瀬 裕子  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30296404)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード介護職員 / 就業動機 / 職務ストレス / 職場風土 / 業務規範 / 事なかれ主義 / 支持的風土
研究実績の概要

福祉施設は、介護施設であり、居住施設でもある。そして、職場でありながらプライベート空間でもある両面性が存在するところで、非常に不確実性が高い職場である。不確実性の高さは、仕事に対する意思を低減させ、職員のプロとしての無力感を作り出す(Frans.1993)。 逆に、仕事の明示性が高ければ、不確実性は低減され、課題かけるに必要な知識や能力が明確になり、仕事から有意味感を得られやすいといわれている。このような、職場環境は、介護職員の有意味感、有能感を形成に影響し、介護職員の援助行為など業務全般に影響を及ぼすと考えられる。
したがって、平成26年研究では、職場環境を包括する組織風土を媒介し、介護職員の就業動機が業務ストレスに及ぼす影響について検討した。
具体的には,東京都・埼玉県などの介護老人福祉施設と居宅介護支援事業所を取り上げ,介護業務に従事する職員を対象とした質問紙調査を行い、現在の就業状況や各対象においての教務に遂行による職場風土の実態を精査した。
調査結果を因子分析した結果、「利用者第一主義が職場に浸透している」などの健全な職務規範を表す「業務規範」、相互がサーポティブでコミュニケーションしやすい雰囲気を表す「支持的風土」、不公平や不満があっても、相互に立ち入れず事なかれ的に対処する「事なかれ主義」、個人の事情や都合に配慮することがない集団主義的な性質を表す「敵対的集団主義」の4因子が抽出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は、職種の異なる介護職の調査を行うことが出来た。従来個人特性との関連で取り上げられてきた就業動機に対しても、職場の心理的な風土が影響する可能性が示唆された。また、職場の「支持的風土」が業務遂行の手段や時間配分の決定における裁量度を高めると同時に,ストレス反応を低減する間接効果を有していることが示された。

今後の研究の推進方策

27年度はこれまでの研究の総括として位置づけられ、前年度までの分析を経ることで、日本の介護職の就業動機とそれによるストレスの関係を明らかにし、雇用・定着モデルを形成することで、その効果を検討する.最終的にはいかなる政策を推進する必要があるのかという主題に応じた成果をまとめることを予定している。なお、平成27年1月までには各サービス(施設・居宅)ごとに比較も含めた調査報告書を刊行し、6月の老年社会科学、10~11月の日本社会福祉学会または日本介護福祉学会にて学会発表を予定している。また成果物としては、学会発表を踏まえた上での論文執筆まで視野に入れて本研究を進めていくものとする。

次年度使用額が生じた理由

介護職調査において、介護職員を雇用する施設法人の全面的協力が得られ、調査票配布回収の費用を著しく削減する事が出来たため、26年度予算の未使用が生じた。

次年度使用額の使用計画

27年度は、前年度までの調査を分析し、雇用・定着モデル構築することを予定しているが、その成果を国際学会で発表する費用として次年度使用額を活用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] •施設介護職が語る認知症介護における回想法;回想法の効用プロセスと介護実践評価2014

    • 著者名/発表者名
      李 泰俊,松本義明,加瀬裕子
    • 雑誌名

      日本認知症ケア学会誌

      巻: 13-2 ページ: 469‐481

    • 査読あり
  • [学会発表] Aging in Place in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Kase
    • 学会等名
      2014Joint Conference Social Work, Education and Social Development
    • 発表場所
      Melbourn, Asustralia
    • 年月日
      2014-07-09

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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