研究課題/領域番号 |
25590147
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 花園大学 |
研究代表者 |
三品 桂子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (50340469)
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研究分担者 |
吉田 光爾 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (30392450)
伊藤 順一郎 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (80168351)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 多職種チーム / ACT / アウトリーチ支援 / フィデリティ尺度開発 |
研究概要 |
1 プログラムスタンダーズの作成:研究会を組織して、多職種アウトリーチチームのプログラムスタンダーズを再検討し、支援の必要となる構成要素を整理した。なお、ACTのみならず精神障害者アウトリーチ推進事業や同様のアウトリーチチームにも適用しうるスタンダーズになるよう、ACTのコアの要素、ACTと多職種アウトリーチチームに共通する要素に分けて整理した。また、2013年8月には、DACST研究者の一人である南フロリダ大学のGregory Teague准教授を招へいし、意見交換を行い、国際的に共通して必要な項目、日本特有な項目を明らかにした。 2 フィデリティ尺度案の作成:1のプログラムスタンダーズの作成に基づき、フィデリティ尺度のアイテムプールを作成し、フィデリティ尺度を開発した。また、尺度は信頼性と妥当性の検証のため、構造評価と機能評価の両方が可能になるよう作成した。さらに項目については多職種の連携協力者・現場の臨床家とともに、デルファイ法を用いて意見交換を行い、内容の妥当性を高めた。 3 評価担当者への研修:評価担当者への研修システムの構築について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた新規のフィデリティ尺度は、研究代表者・研究分担者が予想していた以上に日本独自のものがあることが判明し、作成するのに時間を要したため、当初予定していた評価担当者への研修と事業体へのフィデリティ評価は行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1 評価担当者への研修:前年度に構築した評価担当者への研修システムに基づき、8月に評価担当者への研修を実施する。この研修を受けた者が各事業体に赴きフィデリティ評価の施設調査を行う。 2 事業体へのフィデリティ評価:事業体は研究代表者・研究分担者が幹事として参与するACT全国ネットワークに参加する優良な事業体(約7か所)及び、協力を得られた多職種アウトリーチを実施している事業体(約5か所)とする。評価者は2名一組とし、9月~12月に各事業体へ調査に赴き、評価者間信頼性が検討できるよう留意しながら調査を行う。尺度は昨年度開発した事業体の成長に応じて段階的評価ができるようにしたものを用いる。利用者のアウトカム調査:尺度の予測妥当性(=フィデリティ尺度によって評価される質が、利用者のアウトカムを予測するか)を検討するため、②の事業体へのフィデリティ評価と並行し、事業体の利用者のアウトカム調査を行う。 3 フィデリティ尺度の信頼性・妥当性第一次検討と修正:事業体評価とアウトカム評価で得られた結果をもとに、尺度の信頼性と妥当性を検討する(2015年1月~3月)。事業体調査をもとに、(1)内的一貫性、(2)評価者間信頼性について検討する。また、利用者アウトカム調査に基づき、サービス満足度とともに(3)収束妥当性を検討し、さらに(4)アウトカムとの関連をもとに予測妥当性を検証する。また、臨床的評価を事業体のスタッフにフィードバックし、その臨床評価とフィードバックの有効性や妥当性にについてスタッフから意見を収集し、質的評価に反映させる。上記の結果をもとに、問題のあると思われる評価項目に修正を加える。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画していた新規のフィデリティ尺度は、研究代表者・研究分担者が予想していた以上に日本独自のものがあることが判明し、作成するのに時間を要したため、年度内に当初予定していた評価担当者への研修と事業体へのフィデリティ評価は行えなかった。このため年度内には主として予定した調査旅費に関して償却ができなかった。 償却ができなかった調査旅費に関しては、3年間の研究の中では予定通り計画を実行するため、平成26年度以降に予算を繰り越し、H26年度に執行する。
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