研究課題/領域番号 |
25590151
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
堀 正嗣 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60341583)
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研究分担者 |
農野 寛治 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (30300338)
鳥海 直美 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (00388688)
久佐賀 眞理 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10312167)
栄留 里美 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 講師 (60708949)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アドボカシー / 意見表明権の保障 / 独立アドボケイト / ピアアドボケイト |
研究実績の概要 |
児童養護施設への独立訪問子どもアドボカシーサービスの導入のニーズと懸念に関する施設職員の回答から、子どもの思いを聴く機会の創出になり、支援の質の向上につながるとのニーズが抽出された。一方で、子ども・アドボケイト・職員の関係性を懸念する回答が多く、アドボケイトとの関係づくりが日本におけるサービス導入の課題であることが明らかになった。 児童養護施設入所児童への調査から、入所児童が権利ノートや第三者委員を認知していないこと、児童福祉司の訪問が十分ではないことが明らかになり、既存の権利擁護システムが十分に機能していない可能性が示唆された。小学生はとりわけアドボケイトに定期訪問を求めていた。一方で、アドボケイトとの関係構築や資質の面で不安があることも明らかになった。 障害児施設職員と入所児童への調査から,障害児の意見表明権の保障に特化したサービスのニーズが確認された.また子どもと職員の両方から信頼され、障害児の思いを汲み取ることのできる資質を持ったアドボケイトが求められていることが明らかになった。どのような範囲の情報を職員と共有するかについては,今後の課題である. 調査結果を踏まえて、以下のような日本型ICAS提供モデルを構築した。 (1)サービス提供の制度的基盤:施設が任意でサービス提供機関と契約し,外部第三者がアドボケイトとして子どもに関与するものとする.(2)サービス提供体制:①利用申込・②準備期間・③契約(含共同宣言)・④実施・⑤終了・⑥報告,のプロセスが想定される.(3)実践方法:①苦情/意見の傾聴・②意見形成支援・③意見表明支援・④代弁・仲介からなるケースアドボカシーのプロセスが核となる.(4)障害児へのサービス提供:自らの権利を理解するための学習機会が特に必要とされる.(5)養成:60時間程度の養成講座受講し,選考された者を雇用することを基本とする.
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