東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故が社会に及ぼした影響については、サステイナビリティ学などの学術的な観点からの真摯な検討が必要である。本研究は、ポスト震災社会のなかで人々がどのようにそのダメージから回復しようとしているのか、いくつかの事例研究を行うと同時に、それらに基づき共同性と縁に着目した理論的検討も行うものである。私たちは縁ある人々との繋がりのなかで自己を回復し、共同性のなかで「安全・安心」社会を紡ぎだしていくしかない。社会心理学が基本概念とする「社会的動物としての人間」という見方を踏まえ、本研究ではポスト震災社会に生きる私たちの共同性と縁について問題提起を行う。
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