研究課題
本年度は、5歳児に対して、運動調整課題を2課題(「タッピング・ゲーム」課題と「ボトル・ゲット」課題)、幼児自身の運動課題の評価、情動特徴の評価、保育者による幼児の運動能力の評価、情動発達の評価を実施した。その結果、((1) 5歳児クラスでは、運動のコーディネーション課題において、顕著な男女差は認められない、(2) 子どもは、自分の運動能力や感情調整能力について比較的高い自己評価、(3) 保育士は、子どもに対して全般的に高い評価をする。とりわけ、「保2. かわいそうな話を聞くと悲しそうにする」という共感性に関する項目についての評価が高かった、(4) 子どもの運動調整能力(コーディネーション課題)と感情調整能力(保育者の評定)との間には関連がある、(5) 今後、保育の中で、感情の抑制だけでなく、感情の表現、感情の共感などを含め、感情を調整する能力を育てていくことが重要となると考えられる。また、研究期間全体を通して、(1) 幼児期では、運動調整能力(運動コーディネーション能力)と情動調整能力との間に関連があること、(2) 「気になる」子どもは他の子どもと比べて、運動調整、情動調整能力の得点が低いこと、(3) 「気になる」子どもはとりわけ「二重課題」において難しさを持つことが明らかになった。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件)
Annual Bulletin Graduate School of Education, Tohoku University
巻: 2 ページ: 1-6