研究課題/領域番号 |
25590171
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
茂呂 雄二 筑波大学, 人間系, 教授 (50157939)
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研究分担者 |
香川 秀太 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (90550567)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ソーシャルセラピー / 学習 / 発達 / 即興 / 演劇遊び / コミュニティービルダー / 心理実践家 |
研究概要 |
本研究は、新しい心理実践家育成のために、社会的セラピーと呼ぶコミュニティーレベルでの学習と発達の支援技法の開発を目指す。近年地域ならびに職場では、チームとしての学習やコミュニティーの発達とその支援が求められている。このとき、いわゆる臨床心理ではなく学習科学の観点から、コミュニティーにおける人々の協同のあり方を理解し、それぞれのコミュニティーにあった支援実践に関わる人材を育成することは重要な課題となる。本研究は、①学習する職場・コミュニティーの心理的支援のニーズを調査によって明らかにし、②海外のグループワークによる支援技法を収集整理し、③日本の社会文化に適合した社会的セラピー技法を開発し、大学院レベルでの実習を通して習得できるような課程の整備を目指す。 ①に関しては、小学校、地域コミュニティーならびに病院において、観察と面接を通して資料を収集した。その結果、それぞれのグループにおいて、自分たちの組織をどのような語ればよいか、語り口が十分に開発されておらず、組織による学びを言語化して反省するための言説ツールが求められていることが明らかになった。 ②に関しては、台湾輔仁大学の夏林清研究室の活動を訪問して調査する他、ニューヨーク市のEast Side Institute の活動を調査した。その結果、コミュニティービルダー教育と呼べる長期的教育と、短期的には即興や演劇遊びに基づいたグループワークが有効なことが明らかとなった。 ③に関しては、即興遊びと演劇遊びのレシピを翻案、開発中である。これに追加して、長期的な学習素材の整備が必要なことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した調査と資料収集も順調であり、既に報告書を出版すべく原稿も執筆中であり、本年中に1冊目の研究書籍として出版できそうであり、また、6月に開催される国際学会で一部を発表の予定である。 理論的な見通しも明らかになりつつあり、いくつかの国内学会での発表に関しても概ね良好な反応を受けられたからである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、筑波大学大塚キャンパスで実施してきたソーシャルセラピーカフェを継続して行ない、その他、学校や街場の研究サイトで観察ならびに介入研究を系属す旅程である。 また研究成果発表に関しては、ソーシャルセラピーに関する理論ならびに紹介の研究書籍を執筆中であるが、さらに心理実践家の短期的介入方法論を整備して、短期介入法に関するレシピ本として研究書籍として出版する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外研究者を招聘する予定であったが、相手方の日程と調整ができず、招聘できなかったために、当該残金が生じた。 次年度請求分とあわせて、早めに海外研究者との調整を行い、招聘を実現して、研究を進める予定である。
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