本研究が開発をめざしたソーシャルセラピーとは、語り合いや遊び等のグループワークを行ないながら、コミュニティービルディングを実践するための技法である。この技法を開発するために、以下の作業を進めた。①数カ所の地域社会における質的調査方法(面接による談話データの収集と質的分析)によってニーズを探り、②先行する海外のソーシャルセラピー的なコミュニティービルディングやチームの創造性開発に関する実践事例を収集して情報を集め(参与観察及び面接)、③これらの情報をもとに日本の文化風土に適合する社会的セラピーのひな形を提案した。とくに、現在の日本社会における喫緊の課題である、格差の拡大に曝されている、貧困層の若者支援のための仕組みづくりを行った。
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