研究課題/領域番号 |
25590175
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
佐竹 真次 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (90299800)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 対人的相互作用 / 視線 / 注意配分 / 話題の焦点位置 / アイ・トラッキング |
研究概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)者には、社会的対人関係やコミュニケーションの質的障害がみられ、「空気が読めない人」と揶揄されることもある。「空気が読めない」ことの中には集団が共有している話題の焦点を探査することの困難も含まれると考える。本研究では、複数の他者の視線に対する注意の配分、複数の他者視線の焦点位置(人に焦点を合わせる場合と物に焦点を合わせる場合)の探査という2つの観点から、ASD者が話題の焦点位置を探査する際の問題を、アイ・トラッキングと選択肢課題の方法を用いて実験的に明らかにする。さらに、本人のアイ・トラッキング画像と健常な模範画像とを比較可能な形でフィードバックしながら教示する方法で、話題の焦点位置を探査するスキルを習得できるようにするための訓練プログラムを開発する。 研究目的の達成のために、定型発達(TD)成人40名、ASD成人40名に、アイ・トラッキング装置を搭載したディスプレイの上に提示された各種の対人的相互作用の場面の画像を数秒間観察し、選択肢課題にボタンスイッチで回答してもらう。課題は、画像内の「3名の人の中で今話をしている人を当てる」「2名の人が一緒に見ている物を当てる」などとする。測定データは、被験者の注視の軌跡、反応の正誤、反応時間とする。その後、ASD者に対して自身の注視の軌跡とTD者の典型的な注視の軌跡をフィードバックし、複数の他者の視線に対する注意の配分、複数の他者視線の焦点位置(人に焦点を合わせる場合と物に焦点を合わせる場合)の推定スキルの訓練を行う。 当該年度は、実験設備の構築・調整と課題画像の作成、および関連する課題画像を用いた予備実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験設備の構築・調整と課題画像の作成、および関連する課題画像を用いた予備実験が終了し、予定の実験を開始している状況であるから。
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今後の研究の推進方策 |
複数の他者の視線に対する注意の配分、複数の他者視線の焦点位置(人に焦点を合わせる場合と物に焦点を合わせる場合)の推定能力を明らかにする実験、それに関するスキルの訓練、データ解析を行い、「ASD者が視覚的に空気を読むスキルを習得するためのプログラム」を作成する。
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