研究課題/領域番号 |
25590178
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
MANALO Emmanuel 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30580386)
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研究分担者 |
溝川 藍 明治学院大学, 心理学部, 助教 (50633492)
子安 増生 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70115658)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 批判的評価 / 心の理論 / 認知処理コスト |
研究実績の概要 |
私たちは、多種多様な情報の中で、何を信じ何を疑うべきかを常に評価しながら社会生活を営んでいる。このような社会生活において、情報を鵜呑みにせず批判的に評価する能力は不可欠である。本研究では、批判的評価能力と高次の心の理論(theory of mind)および認知的コストとの関連を検討する。 平成26年度は,研究協力者のLisa Scharrer博士(ドイツ、ミュンスター大学)との共同研究に向けて、批判的評価能力と高次の心の理論を測定するための新規の課題(昨年度の課題の修正版)を考案した。日本の大学生を対象として実施した昨年度の実験結果からは、批判的評価能力と心の理論の能力の間に部分的な関連が示された。ただし、批判的評価課題における認知的コストの操作並びに心の理論課題の難易度の設定が不十分であった可能性が示唆されたため、これらの限界を克服するために新規の課題を作成した。 また、早稲田大学における特別企画シンポジウム「批判的思考と教育」において、昨年度の本研究プロジェクトの成果発表を行った。さらに、研究代表者(マナロ)と二名の研究分担者(子安、溝川)は、本研究プロジェクトと関連するテーマ(批判的評価能力と心の理論)に関する書籍・論文の執筆、研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年10月に、研究代表者(マナロ)が早稲田大学理工学部から京都大学大学院教育学研究科に異動したため、一時的に研究に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に考案した課題を用いて、批判的評価能力、高次の心の理論、認知コストの関連についてさらなる検討を行う。実験は、日本並びにドイツにおいて実施する予定である。現在、研究協力者であるClark Chinn教授(米国、ラトガース大学)に協力を打診しており、日独に米も加えた3か国でデータを収集する可能性もある。研究の成果は、国際誌で発表し、また国内外の学会において発表を行う予定である。次年度の予算は下記の5つの目的で使用する予定である。 (1)調査項目の翻訳費 (2)ウェブ調査システムの利用料 (3)備品および消耗品の購入費 (4)国内及び外国での学会発表のための旅費 (5)論文の英文校正料
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年10月、研究代表者(マナロ)が早稲田大学理学部より京都大学大学院教育学研究科に異動した事により、研究やプロジェクト関連業務に一時的に遅れがあった事による。
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次年度使用額の使用計画 |
下記の使用を行う予定 1本研究で必要となるオンライン様式の作成に関与する費用、2ドイツまたはオーストラリアの研究参加者への参加費用等、3国内および海外への調査・研究出張の一部費用等
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