本研究の目的は児童養護施設入所児童を対象とし,研修を受けた大学生による個別学習支援プログラムを実施し,児童,大学生,施設職員のプログラム前後の変化を検討することであった。プログラム実施後,学習の時間を楽しいと捉えていた児童においては,算数や国語のテスト成績が上昇しており効果が示された。また,大学生においては,支援後,責任感が強くなり,愛他精神が高まり,人間関係の広がりが増加しており,本プログラムの大学生の心理的成長への影響が示された。さらに施設職員は個別学習支援プログラムに対し,子どもの学力向上より情緒的サポートを期待していることが示唆された。
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