慢性医療では、「病い」の当事者である患者自身の経験を生かし、主体的に取り組める対話的支援が必要である。本研究では、医療コミュニケーションの媒介ツールとして、「私と病いのイメージ画(病気になったころ、現在、未来)」を描くビジュアル・ナラティヴ法を開発した。糖尿病と腎臓病患者による調査から、ビジュアル・ナラティヴ法は、インタビューによる語りと比較すると、患者の病いに対する感情や意味づけを理解しやすかった。また、3種類の三項関係ナラティヴ心理支援モデルを構築し、患者と医療者の相互理解を促進し、医療実践を変革する提案を行った。
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