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2016 年度 実績報告書

生体リズムを手がかりにした若者の健康支援~からだを通じて見えない心を理解する

研究課題

研究課題/領域番号 25590182
研究機関弘前大学

研究代表者

高橋 恵子  弘前大学, 保健管理センター, 講師 (70281904)

研究分担者 佐藤 豪  同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードストレス / 失体感 / 呼吸 / 心身一如 / マインドフルネス
研究実績の概要

ストレスによる生理的リズムの乱れがもたらす健康障害が問題になっている。体の内部情報に気づきにくい失体感はストレス関連疾患の心身症の基本概念であるが、現代の情報化社会に生きる若者においても例外でない。身体との内部対話の乏しさは、自律神経などの生体リズムの軽視、また身体の変調への気づきにくさを増幅する。
本年度の研究では、心身のリズムを意識化する心と体の揺らぎの共鳴効果がもたらすストレスの軽減効果について検討した。調査の結果、学生らのストレスは当初予想されたより高くSTAIの状態不安が高かった。呼吸や心拍のリズムに気持ちを向けるセルフコントロールにより、介入後はこれらの不安が有意に低下した。特にエゴグラムの順応した子どもの自我状態(AC)の高い群ではより大きな不安の低減効果が示された。また失体感傾向の高い対象者においても不安の低減とリラクセーションが促された。心身の調和が促されるマインドフルネスな呼吸により、若者特有の過敏性やストレスが低減された。
心と体の共鳴を促すからだを通じた心身統合アプローチは、自己理解や対人共感力を高める健康意識の向上に有用であった。また内臓感覚などへの気づきが促されたことにも注目された。言葉で説明しずらい身体からの情報(gut feeling)への気づきは、ストレス低減に効果的であると考えられる。近年注目されるマインドフルネスは、これらの身体性と協応した人体の智慧と考えられる。
自らの身体のリズムを意識化する体験は学生達にとって驚きを伴う新鮮な体験となる。生体リズムを観察する健康意識の向上、身体を通じた生命への気づきは、情報化が進む現代において必要不可欠な資質であり、今後の検討が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] からだを通じて見えない心を理解する-心と体の共鳴効果を高める心身統合アプローチ-2017

    • 著者名/発表者名
      高橋恵子、佐藤 豪
    • 雑誌名

      弘前大学保健管理概要

      巻: 37 ページ: 5-12

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 大学生の健康支援~からだを通じて見えない心を理解する2017

    • 著者名/発表者名
      高橋恵子、田名場美雪、工藤誓子、嘉山恵子、髙梨信吾
    • 雑誌名

      CAMPUS HEALTH

      巻: 54 ページ: 376

  • [学会発表] 大学生の健康支援~からだを通じて見えない心を理解する2016

    • 著者名/発表者名
      高橋恵子、田名場美雪、工藤誓子、嘉山恵子、髙梨信吾
    • 学会等名
      第54回全国大学保健管理研究集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪大学)
    • 年月日
      2016-10-05 – 2016-10-06

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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