本研究では心身の生体リズムを媒介とする心と体の揺らぎの共鳴効果がもたらすストレスの軽減効果について検討した。呼吸や心拍リズムを意識化したマインドフルネス呼吸により、介入後は学生らの心理的不安が有意に低減した。とりわけ健康行動の阻害要因であるエゴグラムの順応した子ども(AC)の自我状態の高群では、若者特有の過敏性やストレスの低減効果が認められた。心身の調和が促される統合的なセルフコントロールにより、身体的な失体感傾向の高い群においても不安の低減とリラクセーションが促された。生体リズムを意識化する身体性への気づきは、情報化が進む現代において必要不可欠な資質であり、今後とも検討が必要である。
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