本研究は,青少年の問題行動の一つである物質使用(喫煙・飲酒行動)のリスク因子を明らかにすることを主な目的として行われた。本研究の結果から,子ども自身のパーソナリティが物質使用を予測するだけでなく,親の行動特徴も子どもの物質使用に影響していることが確認された。また,双生児法を用いた研究により,特定のパーソナリティを高めるような遺伝的要因と非共有環境要因が,同時に抑うつと物質使用のリスクを高めるような働きをすることが明らかにされた。以上の結果は,青少年の物質使用の早期発見や効果的な介入について考える上で,子ども自身が有する特徴と同時に,親子関係や環境的要因の探究も重要であることを示唆している。
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