本研究は児童・生徒への科学的知識の教授法として近年注目されている「概念変化」の研究枠組みを,生徒指導に苦慮する教師の支援に役立てることで学校臨床心理士と教育現場の新たな連携手法と心理教育プログラムの開発を目指した。 研究の結果,自らの働きかけで子どもの問題が改善した成功事例を有している教師の方がより柔軟な生徒指導観を有していることが示された。したがって,心理教育では「うまくいく関わり方」を中心に扱い,教師の生徒指導上の介入が問題改善に功を奏した経験を促すよう配慮することで,教師の概念変化をもたらしやすくなる可能性が示唆された。
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