認知症の中核症状である認知障がい、およびそれを含む種々の要因が複合して生じる行動・心理症状(BPSD)へのケアは,まさに心理学的課題である。しかし,これらに関する心理学的知見が専門介護士によって十分に理解され,実践されている状況にはない。本研究では,トップダウン型の研修によって習得された知識や技能を,介護現場において有効に機能させるためのボトムアップ型の実践システムを開発することを目的とした。介護職員を対象とする数種の調査研究(質問紙調査とインタビュー調査を含む)を実施するとともに、事例検討を積み重ねて3ステップ式認知症ケア実践システムを開発した。
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