研究概要 |
平成25年度に重点を置いていたのはメンタルタフネス(以下,MTとする)の実態把握である。具体的には,MTの高い個人の特徴を面接調査によって明らかにすることと,文献を参照しその質問項目を考案することであった。研究1-1の文献調査において,Jones,Hangton,&Connaughton(2002)の研究では競技スポーツで相手より優位に立てること,プレッシャーのかかる場面でも,決断力,集中力,自信,統制力を持っていることと定義されていた。しかしながら本研究におけるMTは“本番で実力を発揮することができる個人に特徴的な心理的要因”とスポーツ場面に限ったものではない。つまり,スポーツ以外の場面においても対象とする必要がある。また,本研究の目的の1つとして個人の考え方や行動などの変化しやすい側面に焦点を当て,今後の向上を試みることも含まれている。以上のことから,MTは“一般の人々が経験する課題を与えられた場面”において実行される認知・行動的な側面であるということを強調して調査を実施することとした。以上を踏まえ,研究1-2では,成人男女45名に対して面接調査を実施した。項目は,“1.自分は本番に強い方だと思いますか?また,その理由についてお答えください”,“2.なぜ,自分は本番に強く(弱く)なったのだろうか”,“3.本番に挑む直前にどんなことが頭に浮かぶか”,“4.(本番で行う)練習の成果を披露している最中,どんなことが頭に浮かんでいるか”,“5.成果を披露している最中に,予期せぬ出来事があったとしたら,自分はどんなことを考え,感じるだろうか”,“6.予期しない出来事があった時に,自分はそれに影響されずに課題を行うことができるだろうか。また,その理由は何なのか”であった。これらの質問の回答に対して,以後修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析する予定である。
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