研究課題/領域番号 |
25590195
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
種市 康太郎 桜美林大学, 心理・教育学系, 准教授 (40339635)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 臨床心理学 / 災害 / ストレス / 心理的応急処置 / PFA |
研究概要 |
本研究では,災害時においてより多くの臨床心理士が被災者に適切な心理的な支援を提供できるようになるために,臨床心理士に対してWHO版心理的応急処置(Psychological First Aid, 以下PFAと略記)について体験的な学習方法による研修を実施することを目的とした。今年度は、PFAについてレビューし、研修を実施し、効果の検討を行った。内容の検討を行った。 (1)PFAのレビュー:PFAは,World Health Organization,War Trauma Foundation,World Vision Internationalによって作成されたWHO版心理的応急処置,現場の支援者のガイドに基づいて行われる。研修内容は、①PFAの基本:PFAとは何か、②PFA の活動原則、③特別な注意を必要とする可能性が高い人への関わり方、④支援者自身のケアから構成される。さらに、臨床心理士を対象とした場合の実施の工夫について検討した。 (2)研修の実施と効果の検討:①PFAの実施について、実施時期は2014年7月であった。対象は臨床心理士および関連する心理職(健康心理士など)10名であった。実施時間は1日5時間であった。実施内容は、レビューにより示した内容を含む。シミュレーション,ロールプレイ,ケースシナリオについての討論を行い、より実践的な内容とした。②研修の効果検証:研修の効果について,研修前後の知識テストを実施した。その結果、知識テストの点数については上昇の傾向が見られたが、統計的に有意ではなかった。また、研修受講者の反応や感想などを参考に内容や方法を検討する必要があると判断された。今後は回数と対象人数を増やし、効果の検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研修を実施後、内容的に検討が必要が事項がみつかり、文献研究を含めて検討を行う時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研修の内容と方法の検討結果に基づき、改善された内容と方法によって研修を実施する。研修回数は10回(平成26年度6回、平成27年度4回)とし、対象も学習効果を考慮して、臨床心理士以外の者へも募集する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研修の回数が当初予定より少なかったため、今年度は使用金額が少なかった。 今年度以降、研修の実施に予算を使用する予定である。
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