研究課題/領域番号 |
25590196
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
原田 祐輔 杏林大学, 保健学部, 助教 (60611001)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 訪問リハビリテーション / 脳血管疾患 / 自己実現の欲求 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,脳血管疾患患者の在宅におけるリハビリテーション(訪問リハビリ)介入が「自己実現の欲求の充足」に影響を及ぼすかどうかを検証することである.自己実現は生きがいと同義と定義する先行研究を支持し,「生きがい意識尺度(Ikigai-9)」を用いて調査を行った.調査は初回と3ヶ月後の全2回とし,秦野市リハビリテーション連絡会に所属する療法士に調査協力を依頼した.初回調査では脳血管疾患患者の生きがい感の現状を把握し,2回目の調査では訪問リハビリ介入による変化について検証する. 調査対象は,神奈川県秦野市近隣の訪問リハビリを利用している脳血管疾患患者である.現在は,男性11名,女性6名の計17名に対して初回調査を実施している. 結果は,Ikigai-9の総得点は男性27.2±7.4点,女性30.2±8.6点であった.下位尺度Ⅰは男性9.7±3.2点,女性10.3±3.3点.下位尺度Ⅱは男性9.9±2.7点,女性10.7±3.7点.下位尺度Ⅲは男性7.6±2.5点,女性9.2±2.6点であった.いずれも性別において統計学的に有意な差は認められなかった.しかし,地域の中高年者を対象とした先行研究の平均値よりも全体的に低い傾向を示した. 平成27年度は,初回調査の対象者数を更に増やし,地域に在住する脳血管疾患患者の生きがい感について検討する予定である.また,各対象者の2回目の調査を実施し,訪問リハビリ介入によって生きがい感に影響を及ぼすかどうかを検証する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を開始することは出来たが,調査開始時期が予定よりもやや遅れてしまい,対象者数を増やすことが出来なかった.その為,生きがい感を指標にした調査結果に関する学会発表や論文投稿に着手しきれず,現時点での達成度を「(3)やや遅れている」と評価した.
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今後の研究の推進方策 |
調査協力を得られる施設(療法士)が増える予定であり,調査対象者数は増加する予定である.また,既に初回調査を終えた方に対して2回目の調査を実施し,訪問リハビリの介入による影響を検討していく予定である.更に,同時に測定している脳卒中機能障害評価法(SIAS)を用いて,生きがい感との関連性を明らかにしていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
調査協力を依頼した各施設の療法士に対する謝金が不要となった.また,論文作成に至らなかった為,論文別刷費等も未使用となった.
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次年度使用額の使用計画 |
調査データを多変量解析する為の統計解析ソフト(SPSS AMOS),関連学会への出張旅費,論文別刷費等の使用を計画している.
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