研究課題/領域番号 |
25590200
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
島袋 静香 沖縄科学技術大学院大学, 発達神経生物学ユニット, 研究員 (70649798)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ADHD / ペアレンティング / 心理社会的支援 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、研究者が出産のため、研究を一時停止したことで、計画通りに研究を進めることができなかったが、支援プログラムの効果を測るために重要な、プログラムマニュアルの作成を達成した。研究を開始した平成25年にパイロット調査と、その後フォーカスグループを実施した。フォーカスグループでADHDを持つ児童の母親のである参加者からプログラムへの意見や要望を取りまとめ、プログラム修正に反映させることで、よりADHDに特化したプログラム内容を完成させた。プログラムに使用している行動修正法は、海外からADHDの症状に焦点を当てて開発されたプログラムの内容を使用しているため,修正の過程において、従来のプログラムを日本文化、または日本の子育てにどの様に調整させていくかについても議論を重ねた。セッションの順序、セッションの進行方法、使用されている例題の修正、それぞれの技法に費やされている時間の調節等、多くの面で修正が施された。また加えて、研究者がプログラム運営中に必要だと強く感じた項目も修正プログラムに組み込んだ。プログラム効果を実証する研究においては、無作為比較化研究を始める前に、慎重にプログラムの内容を練り、マニュアルを作成することがプログラムの信頼性を高いものとするために重要であるため、有意義な研究活動であったと考えている。
平成26年度の秋から無作為比較化研究を実際に開始している。これまでに第1回目の治療群グループとコントロールグループ群へ15人のADHDを持つ児童の母親が参加し、プログラムを実施した。平成27年度も継続してプログラムを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
参加者のリクルートが思うように進んでいないことが大きな理由である。これまでに、参加者の募集方法として、メディア(新聞)への掲載、医療関係者へフライヤーやポスターの掲示の依頼、ADHDの診断を受けた子どもの保護者へ研究の参加者募集について周知を依頼するなど行った。しかし、1グループを実施するために必要な十分な人数が集まるまでに長い時間を要する。参加希望者の中には、参加条件を満たさない場合もあるため、より根気強いリクルートを行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究計画としては、目標としているサンプルサイズに達する参加者をリクルートするために、関係する市町村へフライヤーの掲示を以来することや、プログラム実施の資料を窓口に置いてもらうことなどを計画している。少なくとも60人の参加者のリクルートを目指している。 プログラムの実施とデータ収集を本年度末まで行い、同時並行で分析の準備(データ入力、データクリーニング等)に取りかかる。データ分析と論文の執筆を三ヶ月程度当てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
支援プログラムのマニュアルの修正作業に計画以上の時間を費やしたことと、研究者の島袋が平成26年度4月に出産をしたため、研究をしばらく中断したことが、予算の未使用額が生じた理由である。従来の計画に修正はあったものの、プログラムを実施する前の重要な段階であるため、27年度は、従来の計画を遂行できるように進めて行く予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、従来の計画通り研究を進めて行く予定であり、研究の申請時に計上した予算を計画に沿って使用する予定である。
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