自分に赤く見える物が他人には青く見えていてもそれは決してわからないのではないかという問題は、古くから哲学上の難問として知られている。本研究では、色彩を実際に入れ替える「色彩転換メガネ」を作成しこの問題を調べた。参加者は赤が青、青が緑、緑が赤(あるいは、青が赤、赤が緑、緑が青)に変換された光景を見ながら一日四時間、四日間過ごし、その影響を調べられた。 結果として、参加者はその状態に慣れていくこと、例えば青色は温度が低いイメージがあるが実験後にはそのイメージが弱まることなどが示された。これらの結果は日本視覚学会2015年冬季大会で発表され、また英文の科学雑誌に発表するため現在論文を作成中である。
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