本研究では2012年に米国エリート大学が開始し、瞬く間に世界の大学に拡がった大規模公開オンライン講座(MOOC)が高等教育に与えた影響を吟味した。MOOCは米国では、オンライン教育、コンピテンシー・ベースド教育、パーソナライズド教育、そして高等教育のアンバンドリングへと発展した。アジアや欧州においてMOOCは国際広報の窓として捉えられる一方で、オンライン教育が高等教育を提供する有効な手段であるという認識を生んだ。また、主体的学びが必要とされる現代において、MOOCの副産物である反転授業への取組みが世界的に拡がった。MOOCはデジタル時代の産物であるが、21世紀高等教育改革を加速したとも言える。
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