本研究では、行動制御が困難な幼児に焦点をあてて保育園での参与観察を行い、親密な友達関係の形成と行動の変化との関連について検討した。研究1では、A児に関して収集されたエピソードを分類し、月別割合についてχ2検定を行い、「トラブル」が減少し始めた時期にA児が「対等で親密」な友達関係を形成していたことが判った。研究2では行動問題が目立った4名に関わるエピソード記録の分析を行い、対象児が関心をもてる遊びが展開された時期には行動上の問題が減少したが、その間に親密な友達ができなかった2名には再び行動問題が現れ、グループ活動や小集団での遊びを通して親密な友達ができた1名は問題行動が激減したことが判った。
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