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2013 年度 実施状況報告書

聴覚障害児の数的事象を表す文理解の特徴を踏まえた教師用指導資料の作成

研究課題

研究課題/領域番号 25590232
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

研究代表者

庄司 美千代  独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育研修・事業部, 主任研究員 (70632719)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード聴覚障害 / 算数 / 文理解
研究概要

本研究では、算数小学1~2年の「加法」と「減法」であげもらい等による数の増減に関する調査を実施し、聴覚障害児の数的事象に関する文理解の特徴を明らかにし、聴覚障害児への言語指導及び算数指導の在り方を提案することを目的としている。
1年目となる本年度は、①聴覚障害児の算数指導、文理解、言語指導に関する先行研究、文献を収集・分析し、聴覚障害児の算数指導における問題点と課題を整理した。②特別支援学校(聴覚障害)に訪問し、授業参観及び指導者との面談を通して、算数指導における問題点と取組に関する情報を収集した。③算数教科書の記述(語彙、文章表現の特徴等)について、聴覚障害児にとって文理解が困難と予想される個所を検討した。また、本研究所が行った教科指導における教材活用に関する調査研究の結果も参考にし、必要な指導事項についても併せて検討を行った。④①~③に基づき、聴覚障害児の数的事象に関する文理解の特徴を明らかにするための調査票(試案)を作成した。
本年度の取組を通して、聴覚障害児にとっての学習の困難さとして、①数的事象を表す語彙(あげもらい、物の移動など)の意味理解の不十分さ、②主述や目的語を助詞を手がかりに理解することの困難さ、③数的事象を数量関係でとらえることの困難さ、④問題解決過程に対する自覚(求めるものは何か、求めた結果を検証するなど)の問題、⑤算数文章題の文章表現と日常生活での文章表現との違いによる困難さなどが考えられた。また、必要な指導の在り方として、小学部入学以前からの生活経験を通した言語指導(数的事象そのものの体験を豊富にすること、数的事象の体験を言語化することなど)、算数科における指導の困難さに対する事前指導を他教科、自立活動、日常生活等で行うことが考えられた。
2年目は、調査結果を基に予想した困難さ、必要な指導事項について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、1年目に調査を実施する予定であったが、先行研究等の分析、特別支援学校(聴覚障害)への訪問等による情報収集、教科書の分析のために多くの時間を要することとなった。このため、聴覚障害児にとっての学習の困難さと必要な指導事項を仮説として明らかにしながら調査票を作成することとした。
1年目に予定していた調査を2年目に実施することとしたが、2年目に行う予定であった指導資料の作成の原案は1年次に骨子を作成することができたので、2年間の中で研究を遂行できると考える。

今後の研究の推進方策

2年目は調査票(試案)について、所属の国立特別支援教育総合研究所の倫理審査を経て、予備調査・本調査を実施し、結果の分析を行う。併せて、調査を依頼した特別支援学校(聴覚障害)へ訪問し、算数担当者との面談にによる情報提供、意見交換を継続して行う。
調査結果を分析し、必要な指導事項を明らかにし、算数指導資料を作成する。

次年度の研究費の使用計画

1年目に予定していた調査を実施しなかったため。また、所属の国立特別支援教育総合研究所での調査研究に関連した内容があったため、特別支援学校(聴覚障害)への訪問回数が当初計画より少なくなったため。
2年目に調査を実施するとともに、調査結果について特別支援学校(聴覚障害)への訪問による情報提供を行う予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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