研究課題/領域番号 |
25590233
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
須田 康之 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (90216474)
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研究分担者 |
南本 長穂 関西学院大学, 付置研究所, 教授 (60108371)
白松 賢 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10299331)
水上 丈実 北海道教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60710895)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学校規模 / 学力 / 向学校性 / 社会経済的要因 / マルチレベル分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、学校規模が学力と向学校性に与える影響を、全国3地点からデータを取得することにより検証することを目的としている。平成26年度は、児童調査と学校長調査を実施し、個人、学級、学校、地域単位の分析を可能にするデータを収集した。調査を実施するにあたり、調査対象地域3地点の小学校64校に調査協力の確約をとり、そのうえで、「学校規模調査研究に関する協定書」をとり交わし、児童調査と学校長調査がスムーズに運ぶよう配慮した。調査期間は平成26年7月~9月で、調査協力校の教育活動に支障がでない時間帯で調査に協力してもらうこととした。調査協力校の小学5年生の児童には、算数の学力をはかる問題(解答時間15分)と学校や家庭での生活の様子から向学校性を明らかにする質問項目に答えてもらった。児童調査の有効回答数は5656件であった。一方、学校長調査については、児童調査の協力が得られた学校の全ての学校長64名から回答を得ることができた。調査データは既に入力済みであり、平成27年度に本格的な分析にとりかかる予定である。これまでの分析から、算数の学力を規定する要因としては「学校外での学習時間」と「地域性」が、向学校性の規定要因としては「学級への愛着信頼」があることが明らかになっている。学力と向学校性への学校規模の影響の程度については、今後、学校が位置する社会経済的要因を統制しつつ、マルチレベル分析によって明らかにすることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3地点それぞれの教育委員会、校長会の協力を得、かつ計64校の小学校から調査協力を得ることができた。児童調査においては、5656件の有効回答を得ることができた。学校長調査においても、児童調査と同じ64校の学校長から回答を得ることができた。調査用紙を回収し、全てのデータの入力が完了しており、分析を開始できる段階になっている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、学校規模が、児童の学力と向学校性にどのような影響を与えるのかを明らかにすることにある。そのために、学力と向学校性をそれぞれ従属変数とし、家庭での学習時間、学校生活の特徴、家庭生活の特徴、学校規模、地域特性を独立変数としたマルチレベルモデルを作成し、学校規模が児童の学力と向学校性にどのような影響を与えているのかを、個人、学級、学校、地域レベルで明らかにすることになる。分析結果を、日本教育社会学会において発表し、学会誌論文に投稿する。加えて、研究成果報告書を作成し、調査協力校、小学校を管轄する教育委員会、校長会へ報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額337,125円のうち67,470円は、平成26年度の研究活動の中で既に使用しており、支払いが平成27年4月になる。残りの269,655円は旅費に使用する予定であったが、調査協力校への依頼旅費が抑えられたため、次年度の調査研究に繰り越すことになる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度が最終年度になるため、収集したデータの分析を行い、日本教育社会学会(2015年9月9~10日)、Hawaii International Conference On Education(2016年1月3~6日)に参加し、発表する。繰り越した額は、このための、参加費、旅費にあてる。
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