研究課題/領域番号 |
25590256
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
工藤 雄司 茨城大学, 教育学部, 教授 (70635614)
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研究分担者 |
平田 晴路 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70189835)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 制御学習 / 支援システム / 触覚・力覚インタフェース / ものづくり教育 |
研究実績の概要 |
ものづくり教育の一環として制御学習は必須であり,これまでにも,制御理論を小・中学生が分かりやすく学習する教材はあった。しかし,その知見からは“ものを制御する”ことの本質を理解するには至っていないように思われる。 本研究は,知識・理解による制御学習ではなく,触覚・力覚インタフェースを活用することで,小・中学生から高校生まで体験的に制御の本質を理解させる制御学習支援システムの開発を目指している。触覚・力覚インタフェースを活用することで,触覚・力覚情報を含んだ制御の方法が新たに加わることになる。すなわち,従来の手続き型プログラミングにより“ものを制御する”方式から,体感的な制御という概念を取り入れることで,理論に深入りすること無く,初学者にも制御の本質を理解させることができる。これまでこのような学習プログラムの例はなく,新しい取り組みといえる。 平成25年度は,初学者にも取り組みやすいオープンループ制御教材の開発が主となった。これまでに開発した「2進-10・16進数変換器」のPICマイコン用制御プログラムを変更し,センサ基板,ステッピングモータ駆動基板を追加して,ライントレースカーを製作するコンピュータ制御教材を発展させ,触覚・力覚インタフェースを活用することで,体験的に制御の本質を理解させる制御学習支援システムの開発を目指した。コンピュータ制御を中核とした教材として,触覚・力覚インタフェースを制御システムに取り込んだ。平成26年度は,触覚・力覚インタフェースによる制御動作を取り入れた教材へと改善を行い,グラフィカルプログラミング言語を用いた教材を開発した。その際には,生徒の視覚に訴えることが可能な教材の可視化に留意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
触覚・力覚インタフェースを活用することで,体験的に制御の本質を理解させる制御学習支援システムの開発を目指した。コンピュータ制御を中核とした教材として,触覚・力覚インタフェースを制御システムに取り込んだ。そして,太陽電池パネルの向きを太陽の方向に向かうように制御し発電効率が高まるよう改善を行った。しかしながら,生徒の視覚に訴えることが可能な教材の可視化に改良を加えているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,26年度の教材の更なる改善と発展を実施する計画である。すなわち,触覚・力覚インタフェースによる制御動作を取り入れた教材の改善を行い,グラフィカルプログラミング言語を用いた各学校種毎の教材を開発する。その際には,生徒の視覚に訴えることが可能な教材の可視化を進める。 ここでは,発電効率の高い太陽電池を構成する際に,触覚・力覚インタフェースを活用し,制御動作のティーチングをグラフィカルなイメージとして与えることことで制御動作を体感するという経験は,制御学習を支援するシステムとして効果的である。これは,モータの回転角を適切にフィードバックすることで,太陽電池を常に太陽の方向に向ける制御学習を支援する教材となり,より理解を助ける学習支援システムに改善する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の計画では,学会発表を2か所旅費計上していたところ,学会発表の内の1か所と公務が重なったため,不参加となった。結果として,旅費の一部を繰り越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の物品費に組み入れることで,更なる教材の改善が行えるので,平成27年度の物品費として使用する予定である。
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