数学史をみると、文字表記が充実する以前において、一般性を含意して論を展開する際には、数字を用いた式を用いていたが、その数固有の性質を意図的に回避していた。中村幸四郎はこのような数字を用いた表現に着目し、「準一般的な方法」と特徴付けた。本研究では、このような数を擬変数(quasi-variable)と命名した。 本研究では、わが国における授業研究において、学習指導案の検討過程および研究協議会で授業課題を予想される子どもの反応などから吟味・検討する際にそれが擬変数の視点から行われていることを明らかにした。
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