研究課題/領域番号 |
25590265
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池野 範男 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10151309)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 授業研究 / 達成改善型 / 学習者用評価規準 |
研究概要 |
現在、学校現場の授業研究は次の4点で課題をもっている。①授業研究の効果が判然とせず、行うことに意義があるという惰性的な側面をもっている。②授業研究の研究目的、ねらいが明らかではなく、曖昧である。③学校現場の関心が教師から学習者に移行していることから、授業研究の目的を学習者の学習成長の問題と捉えているが、それを判断する手立てが作り出されていない。④とりわけ、教育現場における授業研究が指導案に基づく検討を進めているが、そこに書かれている指導の内容と方法に関しては議論するが、学習者の達成に関して、またそれに関わる評価規準に関しては検討しない。 これらの課題克服方法として、達成改善型授業研究を生み出した。学習者に達成させたい状態を事前に学習者用評価規準として想定し、それにもとづき、それへの達成をA、B、C という3 つの段階に区分し、教師と学習者の両者においてその達成度が確認でき、その授業の良しあしを判定し、実際にできるように試みることである。 2013(平成25)年度は、達成改善型授業研究の基本マニュアルを策定すること、3 つの小・中学校において、達成改善型授業研究を行い、検証すること、外国の授業研究者による評価を受け、その有効性と汎用性を確定することにおいた。 2013年の活動は、①達成改善型授業研究のマニュアルを作り、②広島大学附属小学校、尾道市の2つの中学校で、実験的に試行した。③10月には、イギリスの授業研究者と韓国の授業研究者を招聘し、授業研究を観察するとともに、達成改善型授業研究に関する意見を求め、議論した。 研究成果としは①学習者用評価規準を作り出すことができたこと、②評価規準を観察者、教師だけではなく、学習者にも活用してその授業における学習達成に関する自己評価を進める試みを行ったこと、③イギリス、韓国の外部評価者から、一定の効果があると評価されたことである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013(平成25)年度の目標として、①達成改善型授業研究の基本マニュアルを策定すること、②3つの小・中学校において達成改善型授業研究を行い検証すること、③外国の授業研究者による評価を受け、その有効性と汎用性を確定することにおいた。 2013年の活動は、①達成改善型授業研究のマニュアルを作り、②広島大学附属小学校、尾道市の2つの中学校で実験的に試行した。③10月には、イギリスの授業研究者と韓国の授業研究者を招聘し、授業研究を観察するとともに、達成改善型授業研究に関する意見を求め、議論した。これらの活動により、2013年度の研究目的は果たされた。 研究成果としは①学習者用評価規準を作り出すことができたこと、②評価規準を観察者、教師だけではなく、学習者にも活用してその授業における学習達成に関する自己評価を進める試みを行ったこと、③イギリス、韓国の外部評価者から、一定の効果があると評価されたことにより、その成果に関して、外部評価も受け、高い評価を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
2014(平成26)年度は、達成改善型授業研究の改善された基本マニュアルにもとづく3つの小・中学校において達成改善型授業研究を行い再検証し、達成改善型授業研究を評価し、教育効果を確定する。 そのために、広島大学附属小学校、尾道市立高西中学校、久保中学校の3つの学校と連携し、校内授業研究を実施し検証する。そして、外部評価者による授業研究の評価を受け、達成改善型授業研究の方式と成果を総括的に評価する。あわせて、達成改善型授業研究のマニュアルの再改善を図る。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じたのは、いくつかの単価が安く納入することができたためである。 2014年度の物品購入に使用する予定である。
|