研究課題/領域番号 |
25590268
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
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研究分担者 |
三浦 和尚 愛媛大学, 教育学部, 教授 (40239174)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 手書き / 書字行動の激減 / コピペ / PC依存 / 視写 / 読むこと |
研究実績の概要 |
初年度に行った調査と同一の項目に関して、本年度においても調査を行った。結果は、以下の通り。[H27調査←H25調査] 1.書字行動の激減(1) ①卒論執筆過程で手書きをした部分がある[55%←56%]、ない[36%←41.3%]、無回答[9%←2.6%]。②手書きした部分がある場合は、それがどこか。a構想を練る時[96.7%←85.7%]、b言葉を選ぶ時[14.8%←23.8%]、c文章を組み立てる時[29.5%←45.2%]、その他[18%←23.8%]。③手書きした部分がない場合、その理由は何か。a手書きが面倒だから[15%←6.5%]、b手書きは疲れるから[5%←3.2%]、c編集機能が便利だから[57.5%←45.2%]、d書き直しがしやすいから[30%←54.8%]、eその他[17.5%←19.4%]。 2.書字行動の激減(2) ①卒論の下書き段階で、何割くらい手書きをしたか。0割[29.7%←16%]、1割[32.4%←30.7%]、2割[13.5%←21.3%]、3割[4.5%←13.3%]、4割以上[9.1%←17.6%]。②他人の論を引用する時、一度は手書きをしたか。全く行わない[52.3%←50.7%]、4割以下の字数を手書きしてみた[36%←38.7%]、半分程度の字数を手書きしてみた[8.1%←5.4%]、8割以上の字数を手書きしてみた[3.6%←5.3%]。 2年前に比較して、書字行動は著しく減少している。つまり、学生はPCに依存しきった論文執筆を行っている。苦しんで考え抜いて言葉を選び文章を練る姿が見えない。ただし、構想を練る時は、手書きを選んでいる。また、引用文を「コピペ」する姿が浮き彫りにされる。別に実施した調査によれば、視写すると、文章を深く厳密に読んでいく契機になることがわかった。つまり、手書きは、読むこととつながっていることが推測できる。
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備考 |
[雑誌記事]人物インタビュー鈴木慶子:「今、手書きさせる教育の意味を問い直す」、 『子どもを「育てる」教師のチカラ』、季刊25号、2016年3月、表紙(写真)、 目次(写真)、及びp1~3(インタビュー内容)
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