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2013 年度 実施状況報告書

実行機能トレーニングのためのパーソナルポートフォリオの提案

研究課題

研究課題/領域番号 25590278
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関山形大学

研究代表者

大村 一史  山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (90431634)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード実行機能 / 個人差 / 認知トレーニング / 実験系心理学
研究概要

平成25年度は、評価アプリケーションの基礎構築のため、タブレット上で使用する実行機能評価のための認知課題の選定とその妥当性検討のための行動実験を中心に行った。従来より当研究室で展開してきた、連続遂行課題、時間評価課題に加え、今回新たに数ストループ課題の導入を検討した。
小学生65名(2年生21名、4年生24名、6年生20名)を対象に、”数の大小関係を正しく認識し、その知識を適切に運用する能力”としての数の認知コントロール能力の発達的変化を探る基礎的な行動実験を行った。二つの数字の数値の大きさを比較判断する「数値判断課題」とサイズの大きさを比較判断する「サイズ判断課題」が用意された。両課題とも、二つの数字の数値と知覚サイズの大小関係が一致している「一致条件」、大小関係が不一致の「不一致条件」、数値によらずサイズが同じまたはサイズによらず数値が同じ「ニュートラル条件」の3条件からなり、条件ごとの正答数および反応時間が算出された。正答数には有意差は見られなかったが、反応時間については、いずれの課題においても2年生が、4,6年生よりも有意に長かった。特に、サイズ反応課題よりも数値判断課題でこの差は顕著となった。今後、解析をより一層進め、サイズの効果および数値距離の効果などを検討していく予定である。
課題の選定と並行して、実行機能評価のアプリケーションは、ポートフォリオ機能をデータベースとして実装し、教育現場で実際の業務に当たる教員のユーザビリティを考慮して作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

建物下階の改修工事の際に発生した粉塵被害により、研究室および実験室が平成25年度前半は使用できなかったため、基礎構築のための行動実験が年度の後半にずれ込んでしまった。本年度中に完了しなかった行動実験は来年度に継続して実施する予定である。

今後の研究の推進方策

数ストループ課題の解析を一層進めるとともに、視線計測を利用した眼球運動トレーニングの知見をアプリケーション開発に導入する予定である。基礎的な研究と並行して、引き続き、実行機能評価のアプリケーション開発を展開していく。ユーザビリティ向上のため、実際に使用する教員などにアンケート調査を行うとともに、モニター教員らを募り、ブレインストーミングによりシステムの洗練を図っていくことを検討している。

次年度の研究費の使用計画

粉塵被害により行動実験の開始が当初予定よりも遅延し、次年度に予算を繰り越して使用する必要が生じたため。
前年度より継続する行動実験の謝金および研究機器の購入に充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 個に応じた適切な支援を導く神経教育学的アプローチ2013

    • 著者名/発表者名
      大村一史
    • 雑誌名

      K-ABCアセスメント研究

      巻: 15 ページ: 97-107

  • [学会発表] Same stimuli but different instructions induce different electrophysiological responses

    • 著者名/発表者名
      Omura K, Otsu A, Sakamoto A, & Kusumoto K.
    • 学会等名
      Cognitive Neuroscience Society 2013
    • 発表場所
      Hyatt Regency San Francisco, San Francisco, CA, USA

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公開日: 2015-05-28  

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