研究課題/領域番号 |
25590280
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
菅野 和恵 筑波大学, 人間系, 准教授 (80375451)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知的障害者 / メンタルヘルス / 障害福祉 / 就労支援 |
研究概要 |
本研究は、成人期の知的障害者のメンタルヘルスに関して、その評価方法を開発することを目的としている。具体的には、①知的障害者のメンタルヘルスを評価する質問紙の作成、②特例子会社、就労支援事業、生活場面等におけるメンタルヘルス評価の信頼性と妥当性、③特例子会社、就労支援事業、生活場面等におけるメンタルヘルス評価の経年的変化の3点を課題としている。 平成25年度においては、成人期知的障害者のメンタルヘルスの評価やその支援に関する研究の整理・分析を行った。International Association for the Scientific Study of Intellectual and Developmental Disabilities, 2013, Asia-Pacific Congress, Tokyoに参加し、ポスター発表を行うとともに、メンタルヘルスの評価や支援方法の研究を収集した。 また、質問紙の作成として、先行研究により作成された評価法(MIPQ-J)に関して、質問項目の改訂・精選をした。知的障害の程度に対応することが可能になることをめざし、現在、修正を行っている。質問紙は、抑うつ気分、興味・関心・喜びの喪失の2次元で構成することを想定し、作成を行っている。 作成した質問紙の信頼性と妥当性の検証、および経年的変化の分析のために、質問紙調査を実施する予定である。現在、研究・調査協力者のリストアップを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、質問紙を作成し、調査の実施を行う予定であったが、質問紙の作成に時間がかかり、やや遅れている。理由は、知的障害の原因によりメンタルヘルスの低下症状の現れ方が異なることが想定され、対象者の実態把握および心理アセスメントを行ったり、原因と障害の程度の二つに対応した質問紙を作成しようと試みているためである。
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今後の研究の推進方策 |
まず、質問紙を作成し、特例子会社、就労支援事業、生活場面等におけるメンタルヘルス評価の信頼性と妥当性を検討する。次に、メンタルヘルス評価の経年的変化分析のためのデータ収集を行う。本研究にかかわる研究は、日本国内においては初期の段階である。継続的に海外の文献を収集し、研究動向を整理していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究初年度の本年度は、質問紙の作成に時間をかけた。質問紙を作成するために、対象者の実態把握および心理アセスメント、ならびにインタビューを行った。そのため、「物品費」の支出が予定よりも多くなった。データの収集、処理、調査協力に関わる「人件費・謝金」および「旅費」の支出予定の一部を次年度に繰り越した。 次年度においては、データ収集、データの処理、調査協力に関わる「人件費・謝金」、「旅費」の支出を増額した使用計画を立てている。また、調査の実施にあたり、印刷費、複写費、郵便費等に関わる費目「その他」の使用を増額する予定である。
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