研究課題/領域番号 |
25590282
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中川 辰雄 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00164137)
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研究分担者 |
加藤 靖佳 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (10233826)
佐藤 正幸 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50222021)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 聴覚障害 / 補聴器 / 人工内耳 / 視覚提示 / 聴覚提示 |
研究概要 |
本研究は聴覚障害児の補聴器や人工内耳の装用効果の評価に映像を付加した効果について明らかにすることを目的としている。これまで、筆者を含め、国内外で行われてきたほとんどすべての補聴器・人工内耳の評価に関する研究は聴覚提示によって行われてきた。しかし、聴覚障害者が補装具を用いるのは日常生活であり、その中では視覚刺激が必ずと言ってよいほど聴覚刺激に伴われている。これまでの評価法からでは実際的な装用効果を測定することは困難なことが考えられる。本研究は聴覚障害児を対象として、補聴器・人工内耳の実際的な評価法を開発するために、聴覚刺激に視覚刺激を加えることによって、聴覚刺激だけの時と比べてどのように装用効果が変化するかを比較して、実際的な補聴器・人工内耳の評価法を開発することを目的とする。 今年度は装置の開発を中心として進め、それが完成次第、聴力正常者と聴覚障害がある成人、そして補聴器や人工内耳を装用している聴覚障害児にも実施する予定であった。しかし、聴覚刺激に視覚刺激を同期して提示する装置の運用に不具合があり再調整に手間を取ってしまい、聴力正常者を対象にした予備検査しかできなかった。しかしその結果は、視覚刺激を聴覚刺激に付加した効果が語音によって異なることが示唆された。すなわち、視覚刺激の影響を受けやすいものと比較的受けにくいものがあることがわかった。今後はここで得られた結果に基づき語音刺激の選択を行うとともに、聴覚障害児を対象にして検査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
装置は一旦、6月1日に完成したが、その後、音と映像の提示装置の運用上の問題が解決されずに、装置を用いて検査ができるようになったのが2013年の後半であった。しかしその後は、大学内にある防音室で検査ができる環境が整った。予備的に行った聴力正常者を対象とした検査でも聴覚に視覚を加えることによって聞こえが影響することが確認された。その結果を基にして聴覚障害児にも検査を実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は聴覚障害児を対象にして検査を行うために、今あるシステムを可搬できるように改良して検査を続行する。横浜市内の通級指導教室に通う補聴器や人工内耳の子どもへの検査を実施して、その結果を順次発表していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
装置の実質的な運用が遅れたために、検査をお願いできる被験者の人数が少なかったことが主な理由である。 2014年度は成人の聴覚障害者だけでなく、横浜市内の小学校の通級指導教室にも出向き聴覚障害児を対象にして検査を行う予定である。
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