研究課題/領域番号 |
25600022
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
二又 政之 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20344161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 近接場ラマン / 表面増強ラマン / 局在表面プラズモン / 伝搬性プラズモン / ギャップモード / 吸着状態 / 分子間力 / 一分子状態分析 |
研究概要 |
(1)1分子感度ナノラマン分光の実現:銀ナノ粒子を加熱処理したカンチレバーチップ及び先鋭化光ファイバ先端に真空蒸着法により形成した。これまでの検討を継続し、シリコン製カンチレバーの加熱処理条件の最適化を進めた。温度及び加熱時間を制御することで、チップ先端に銀ナノ粒子(直径約20-30 nm)を成長させることに成功した。FDTD計算によると、このプローブは、金属基板との間のギャップモード励起で10^10のラマン増強を与えるとともに、増強電場で決まる空間分解能として、5-7 nmの実現が期待できる。実験的に、チップ増強ラマン効果と先端銀ナノ粒子の安定性を確認した。 (2)金属粒子プローブと金属基板間のギャップモードの効率的な利用のために、全反射配置での伝搬性プラズモンを介して、ギャップモードを励起する手法について、FDTD法及びDoveプリズムを用いて検討し、外部反射は位置よりも10-100バイクおかんどかが図れることを見出した。 (3)ケミカルイメージング:分子間力測定とナノラマン分光の複合.金属ナノ粒子プローブ及び金属基板双方に固定した官能基を含むチオール分子を用いて、分子間力を発現させ、分子間力と同時にラマンスペクトルを測定し、実験手法の改善を進めた。金属ナノ粒子プローブ表面にアルカンチオール、環状チオール及びカルボキ基やアミノ基を有するチオールの単分子膜を形成し、基板側の吸着種や溶液中のイオンとの相互作用について、この手法により詳しい情報が得られることを見出した。以上のように本研究の目標実現のための重要な進展が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標に沿って、ほぼ順調に着実に研究成果を上げている。大きな実験的な課題は今のところない。この調子で進めることで、時年度末までに、2年間での目的達成が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
目標設定に従い、学生を指導し、種々の実験上の工夫をしながら、着実に研究を進める。与えられた研究環境の下で最善を尽くす。
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