金属内包カーボンナノチューブ(CNT)の内包金属の低温溶出現象を利用した、金属ナノ粒子の新しい形成法を研究した。銅内包CNTと樹脂との複合フィルムは、590 nm付近に内包銅による特異な光吸収があることを見出した。さらに、加熱処理した試料では処理前と比較して、約5 nm短波長へシフトした。これは内包銅が溶出し、CNTの外側に銅ナノ粒子を形成する温度領域と一致していることを明らかにした。 また銅とゲルマニウムならびに銅とチタンの合金内包CNTを従来の銅内包CNTに匹敵する収率、充填率で作製することに成功した。これらは銅内包CNTより、さらに約200℃低い温度で溶出することがわかった。
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